最近は書籍を読むことも少なくなり、一時に比べると購入頻度も落ちました。
それが先日、ネットサーフィン中に面白そうな本に出合いました。
大松孝弘さんと波田浩之さんの共著『 「欲しい」の本質 ~ 人を動かす隠れた心理「インサイト」の見つけ方 ~ 』という本。
インサイトという概念に惹きつけられ、俄然インサイトの事を持ち知りたくなったので購入に至りました。
これから早速本を読んでいき、自分なりに内容をまとめて簡単な感想を書いてみたいと思います。
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『「欲しい」の本質 ~「インサイト」の見つけ方 ~ 』の大まかな目次
本の感想レビューに進んでいく前にこの本の大まかな目次を紹介して、それに沿いながら内容の概要を書いていきます。
はじめに
第1章:人の「欲しい」は隠れている
・いま、消費者は「だいたい、良いんじゃないですか?」の時代
・人を動かす隠れた心理=インサイト
・なぜ先進企業はインサイトに注目するのか
第2章:「人を動かす隠れた心理=インサイト」の構造を理解する
・優れた作り手は消費者の心理をどう読んだのか
・インサイトを構成する4つの要素
・インサイトは3つのタイプに分類できる
・人の欲望は天使と悪魔の両面で捉える
第3章:ユーザーや競合ではなく「人間を見に行く」
・「人間を見に行く」ことがイノベーションの出発点
・イノベーションを実現したアイデアとインサイト
・人間を見に行く=ターゲットの興味や関心に寄り添うこと
・「人間を見に行く」ための道しるべ
第4章:成熟市場におけるビジネス機会の見つけ方
・6つのフェーズで構成されるプロジェクトの工程
・インサイトリサーチの前に必要なオポチュニティ発見
・オポチュニティ発見のメソッド
第5章:インサイトを発掘する方法
・インサイトを明らかにする方法
・心理学に基づく感情からのアプローチ
・文化人類学に基づく事実からのアプローチ
・インサイトの読み解き方
第6章:既成概念を壊してアイデアを手に入れる
・ワークショップでアイディアを開発する
・アイデア開発の精度を高める「ひとこと化メソッド」
・「インサイトマンガ」でインサイトを直感的に共有する
・アイディアの実現可能性をコントロールする「技術カード」
・キーインサイト・バリュープロポジション・アイディアの検証
第7章:インサイトを活用した業務プロセスの構築
・インサイトを起点とする業務プロセスの再確認
・インサイトを活用した業務プロセスを構築する際のポイント
あとがき
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書評の一部? 『 「欲しい」の本質 』章ごとの要約
この本には、「欲しい」と云う気持ちの本質である「インサイト」のことやその見つけ方までが各章を通じて紹介されています。
これからそれぞれの章ごとの概要にふれていきます。
<第1章><第2章>の概要 インサイトの定義や構造に関して
第1章では、インサイトは “ 人を動かす隠れた心理 ” と定義されています。
人間の思考などは5%の意識と95%の無意識とで成り立っているとされ、インサイトはその無意識に目を向けるものです。
マグドナルドの事例を用いて紹介されたり、以前からある考え方 “ ニーズ ” との違いからも説明されています。
また、インサイトの考え方が求められている時代背景についての説明もありました。
意識されていない、隠されているという点がしっかりと述べられていますよね。
第2章では、“ 人を動かす隠れた心理=インサイト “ の構造を詳しく紹介しています。
第1章では言葉の意味合いで説明していましたが、ここでは構造的にインサイトをひも解いています。
まずインサイトはキーインサイト、バリュープロポジション、アイデアで構成。
キーインサイトとは隠れた不満や欲求が詰まったエッセンスであり、キーインサイトを満たす価値提案がバリュープロポジション。
このキーインサイトとバリュープロポジションは「充たし充たされ」の関係で、それを具現化したものがアイデアとなっていると。
またインサイトを構成する要素として、シーン(場面)・ドライバー(源泉要因)・エモーション(感情)・バックグランド(背景要因)が挙げられます。
それからインサイトは、「価値」、「不満」、「未充足欲求」の三つのいずれかに分類されるとしています。
更にインサイトに当てはまらないポイントとして、先の三つの分類に当てはまらない、既に意識していた、思考の中でいつも思っていた、人を動かすことができない、といったものはインサイトには当てはまりません。
第1章と第2章とで様々な側面からインサイトについて解説してくれていますので、書籍タイトルの「欲しい」という本質をかなり明らかにしてくれていますね。
個人的にはかなり重要な章だと感じています。
<第3章>の概要 インサイトを起点とした考え方の重要性
第3章では、「ユーザーや競合ではなく “ 人間を見に行く “ 」として、ビジネスの中でのインサイトを起点とした考え方の重要性を説いています。
インサイトを具現化したアイデアはしばしばイノベーションを伴います。
ですが、本田宗一郎の言葉「技術はあくまで手段」にもあるように、イノベーションはインサイトに通じ、インサイトを充たしたものでなければならないとしています。
その為には、人間を見に行かなければならないと。
“ 人間を見に行く “ というのをもう少しわかりやすく表すと、ターゲット(対象者)の興味や関心に寄り添う、ということですね。
ですので、例えば物が売れない時に、お客様が買わない理由を聞いてはダメなんですね。
その買わない理由を聞かずに、理解することが求められます。
“ どうして聞いてはいけないのか?” 、” 聞いても効果がないのか?” は本書にちゃんと書かれています。
「VIL]や「生活の14分類」、「新奇事象」等の考え方を活用して買わないとされる理由を理解し、インサイトを探し出していきます。
それとどの章でもそうですが、章の最後にある「第〇章のまとめ」が実にわかりやすいし理解が深まりますね。
ホントはやっちゃいけないんでしょうけど、最初にこの章のまとめを読んで本分を読んでもいいぐらい色々な考え方や手法を駆使してその買わない理由を明らかにしないといけないんです。
<第4章>の概要 インサイトを用いた6つのフエーズによる行程図
第4章では、インサイトをビジネスの中でどのように使っていったらいいのかをインサイトを起点としたプロジェクトの行程を、6つのフェーズで解説しています。
<1>オポチュニティ発見
<2>インサイトリサーチ
<3>アイデア開発
<4>プロトタイピング
<5>ローンチ
<6>トラッキング
それらのフレーズにメソッドやフレームを盛り込んだチャート(プロジェクト工程図)がとても見やすくわかりやすいです。
この図はこの後の第5章、第6章での解説でも活用されるものですが、この第4章では最初の行程の「オポチュニティ発見」について頁を割いています。
オポチュニティとは、自社のビジネスで解決できそうな消費者が潜在的に感じている問題のこと。
オポチュニティ発見がプロジェクトの起点であり、それだけ重要だからです。
「スペースファインダー」や「Webアクチュアルデータ分析」などのメソッドを使って、オポチュニティを発見していきます。
<第5章><第6章>の概要 インサイトの探し方等の行程図に基づく方法
二つの章では、先のプロジェクト工程図を基にインサイトリサーチを行ってインサイトを探し出し、具体的なアイデアを導き出し、試作開発に至るまでの方法について書かれています。
インサイトリサーチでの「ビジュアル刺激法」「ソ-シャルリスニング」「文章完成法」等の手法やアイデア開発での「ひとこと化」「インサイトマンガ」等の手法についても解説されています。
これらの手法については、ここで紹介するよりもやはり本を読んでいただき理解していただく方が何よりいいと思いました。
それは、感覚的に進める工程ではなくてしっかりと理解した上で地道に手順を踏んでいく必要があるからです。
また全体の流れを掴んでおくことはとても大事なことだと思います。
中々個人一人でこれらの行程を進めてキーインサイトを見つけ出すのは、時間もかかるし難しい点もありますが、「ひとこと化12の法則」は全く別のシーンでも使えそうですね。
<第7章>の概要 プロセスの流れの再確認
今までの第1章から第6章までの内容を要約し、プロセスの流れを再確認する為にまとめられています。
全体の流れを掴んで理解する上ではとても有難い章立てですね。
本文をサァーッと流して見ていくよりも、プロセスの流れがあやふやになった時にはこの章を読めば理解しやすいでしょうね。
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【結び】この本が最も相応しいのは? マーケティング・商品開発に役立つインサイト
最初、この本を見かけた時に、” アイデア創出の為に役立つのでは? ” と思いました。
それと、「インサイト」というのはどういうものなのかを知りたくて購入しました。
実際本を読んでみて、人を動かす隠れた心理である「インサイト」のことはしっかり理解できましたので、購入して良かったなと思いました。
でも、この本の本来の使い方はそうじゃないんじゃないかなと感じました。
知識を得るためだけの本ではなくて、実践する本。
「インサイト」という概念を知らせる、教えることももちろん重要なことでしょうが、それ以上に「インサイト」を見つけ出すための考え方や手順を示してくれるものです。
ただ、一人で行うには正直難しい感じもしました。
インサイトを見つけ出していく作業というのは、プロジェクト工程図に即して行わないといけませんからとても地道なものです。
しかも今までの自分の経験則や意識している中での発想や思いつきではできませんので、どうしても窮屈で面倒くさい作業となってしまいます。
個人にとっても役立つことももちろん多くあります。
でもそれよりもマーケティングや研究開発の部門の方々やアイデア創出をする仕事の人達にはとても有益なものです。
更に広告のクリエイティブやプロモーション、eコマースやサイト運営など、様々なジャンルに携わる人々などにも有効ですね。
モノが売れないと云われている時代だからこそ、こういったアプローチが必要なんだと思います。
自分自身もこの本の中で紹介された手法や考え方の一部でも取り入れて、アイデア創出の際に役立てていくつもりです。
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